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スタインウェイ ハウス

現在世界で最も著名なピアノテクニシャンの一人、ウーヴェとともに


ニュルンベルグには始発の飛行機で飛び、最終の便で帰ってきました。そして翌日にはデュッセルドルフから300km以上を走りカールスルーエ近くのスタインウェイハウスにやってきました。去年の秋からコンタクトを始めていましたが、やっとウーヴェと会うことが出来たと共に、アウトバーンを本格的に200km以上の速度で巡行しました。昔サーキットでオートバイに乗るのが好きで、最近またそういうのも良いかな・・・と思っていましたが、今後はアウトバーンで車に乗ることを趣味にしたいと思いました(笑)。

スタインウェイハウスにて、グランドピアノの試奏

様々な性格のスタンウェイがありましたが、そのサウンドの素晴らしさというのは格別のものがありました。改めて感じたことは、このImpressive soundingは国内で聴くことは決してなく、どうしても国内にスタンウェイが入ってくることで、日本特有のサウンドに変化してしまうことは何故なのかというものを、再度考えさせられる機会にもなりました。実際これは、ニューヨークのスタインウェイでも感じていたことで、同じようにハンブルグ製でも本国の音とは大きく異なります。この音の違いというものは、ちょうどJ-POPと洋楽の音の違いと表現すれば分かりやすいかと思います。強力に訴えかけてくるメッセージ色のある音色は、楽曲本来の質感とパワーで演奏者のイマジネーションを刺激します。

リヒャルト・シュトラウスが所有したスタインウェイピアノ

写真が少しぶれてしまいましたが、なんとこのスタインウェイはリヒャルト・シュトラウスが所有していたピアノとのことです。家族からの手紙も添えられており、このピアノを公式に以前所有していたことを認めるというものでした。それなりのレベルの音楽関係者のところに行くと、必ず曰く付きの伝説的ピアノというものがあります。今回のヨーロッパの旅でも、ルービンシュタイン所有のニューヨークスタインウェイや、ブレンデル所有のベーゼンドルファーなど、素晴らしいピアノに出会うことが出来ました。

ボンからカールスルーエへアウトバーンは、最もスピードが出ます。この折は下り坂ということもあり、230kmをメーター読みで確認できました。本当に美しい景色を見ながらのドライブは、全く距離感を感じさせませんでした。

オーケストラのレコーディング

オーケストラのレコーディングについて、色々と構成を考え直しています。前から考えていたことではありますが、ウィーンでゲオルグとのレコーディング(アーティスト:ウィーンフィル&ヨナス・カーフマン)に接した折、彼がその多くをラージダイアフラムでレコーディングしたいたことと、加えて僕自身としては Decca Treeを導入したいと思っていたことが重なりました。これまではステレオマイクで対応していたものを、やはりDecca Treeは圧倒的にマイクの数からして違うわけで、そのノーブルなサウンドというものはステレオでは決して出せない味わいがあります。また、このDecca TreeをBraunerのマイクで纏めようと考えており、Braunerの本社に現在マッチングの必要性があるか否かを聞いているところです。

このBraunerで Decca Treeを纏める考え方は、Braunerマイクの本社を訪ねた折に、ピーターガブリエルが16本のPhantheraを使いこなしている系統図を見た折に思いついたことで、今までもPhantheraに関しては最も完成されたマイクの一つとして多くの場で用いてきました。そのノウハウを、今度はクラシックのオーケストラレコーディングに応用することで、マイキングや音質の方向性として、クラシックやポップスの間でもそのジャンル分けというものがほとんどなくなってきている昨今、アイディアを上手くアレンジすることで、更に発展的な新世代の音を作り出せると考えました。

加えて、四重奏やピアノレコーディングにも対応できる Decca Tree なので、レコーディングクオリティとしては圧倒的に質が上がるはずです。

そのほかのマイクについても凡そ見当は付けてあり、その殆どはハイレゾマイクになる予定です。しかし、ハイレゾマイクで纏め、更に僕が主たるマイクプリアンプとして用いている、SPLのCrescendoを使った場合、音楽性を失わせるほどのHi-Fiサウンドが作られてしまうことは間違いありません。今回の構成をそのまま用いれば、間違いなくそちらの方向性へ振れることは間違いありません。

SPL Crescendo


物凄くスーパーHi-Fi、クリーンなサウンドが作り出されるわけですが、それが音楽的であるか・・・というと別の議論になってしまいます。そこから更に考え方を進めていく必要性がありまして、そのソリューションとして素晴らしかったのが、ステレオリボンマイクのHUM Audio DevicesのMR-2でした。

リボンマイクを何故今更、この時代に用いるのかが今一つ分かっていませんでしたが、改めてその音色の構成というものを見直していくときに、ハイレゾマイクや最高精度の高解像度マイクプリアンプで固めた挙句、何かが足りない・・・そんな結果を何度も生み出していましたが、このリボンマイクならではの何とも言えな柔らかくも濃厚なサウンドは、楽曲に美しい息吹を与えてくれたと感じています。

今からこの構成でレコーディングできることが楽しみでなりません。その上、うちのスタジオで新たに導入した elysiaのMpressorで構成されたSSLのコンソールは、昨今のクラシック音楽で用いられるアグレッシブなサウンドメイクにはぴったりの内容で、最高にあか抜けたオーケストラレコーディングを可能にすると予想しています。

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