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  • 2019年2月24日
  • 読了時間: 3分
マスタリングスタジオ

SPL社のFacebookページ・Istagramに当スタジオが掲載されました。elysiaやBettermakerをはじめ、エンドーサー契約を持つメーカーのFacebookページやその他のSNSで紹介されることは当然のことなのですが、今回は世界のトップスタジオを集めての一角に食い込めたことが、本当に嬉しく思えました。本格的に世界への進出を考えるようになってから、一定期間が経過しますが、当初はその厚い壁というものに翻弄されたものです。実際に機材一つとっても、余りに国内との間に開きがありすぎてしまい、そのうえ作られる音、そして各人のプロフィールの分厚さというものを目の当たりにし、何度も心が挫けそうになったものです。

それが好きで好きでここまでやってきて、気が付けば世界のトップのスタジオの一角としてメーカーから紹介されるまでになりました。例えば左上のマスタリングスタジオは、Danというベルギー人のスタジオです。当初彼と知り合った折には、気高いヨーロッパ人らしく、ろくにメールも返ってこないような間柄でしたが、今となってはエンドーサー同士お互いを認め合い、互いに向上していこうという心意気になってくれているようです。彼のスタジオには、近々遊びに行く話し合いになっています。

世界のトップの仲間入りをすると、入ってくる情報の質も変わってきます。彼らが信用し友人と呼んでくれるようになるには、一定のスキルが求められます。何となく話したり、通りすがりの間柄の関係を西洋人は友人とは呼びません。お互いに明確なメリットが有り、双方を研ぎ合う間柄で初めて友人として認めてくれます。そのハードルは結構高く、日頃の活動においての意気込みや価値、そして向上心がない限りは世界のトップの一因としては認めてもらえないと感じることは多々あります。そんな中にありながら、僕が活動拠点としている西ヨーロッパ全般のメーカーやプロデューサー・エンジニアたちは、明確に友人と呼んでくれるようになり、スタジオにも積極的に受け入れてくれる体制を整えてくれています。

ここまで来ると海外での活動において、今後の見通しというものが付くようになったのですが、問題は国内です。これだけ海外での活動を明確化してきていますが、未だに今ひとつ上手に国内に対して世界の状態を伝えるに至っていません。今後の課題は正に国内に集約されるのではないかと思っています。若い人材の教育も含め、これから世界に出ていける才能ある人を育て上げたいと思っています。ただ、世界での競争というものは相当にタフ故に、どれほどの人が突き抜けてくるのかも課題になるかと思います。

Marian Seraph M2 MADI

ドイツへ修理に出していたサウンドカード、Marian Seraph M2が帰ってきました。随分と長旅でしたが、新品と結局交換ということで、正直なところ日本では受けられないようなサポートを、本国と直接やると対応してくれます。うちも代理店をやっていますが、正直なところ国内の代理店というのはサービスが非常に悪いのは認めざるを得ません。特に保証期間に関しては、ヨーロッパ・アメリカ共に最低3年を設定しており、長ければ5年ということも頻繁です。地球が情報化社会の発展でここまで狭くなり、1週間もあればヨーロッパと機材を行き来できてしまうこのご時世で、今後完全に直接取引が前提となることも考えられます。そうした場合に、何かしら国内側としてはより魅力的なサービスを展開するなど、策を考えていく必要もあるかと思います。

さて、アフターフォロー含め、世界の流れについてはこのくらいにして、Marianについてです。日本ではほぼ無名と言っても過言ではないDDコンバーター・サウンドカードですが、MADIで384kHzを送受信できる唯一のカードでもあります。設計は相当に古く15年も前のものをそのまましようしていますが、何とファームウェアのアップデートのみで384kHzに対応してきたという、とんでもない機材でもあります。この辺りのドイツ人の優秀さというものは、毎回驚かされます。また、PCIeという利点を生かして、最大128chの大容量をやり取りできると共に、動作の安定性というものはとてつもないものがあます。なんと384kHzでオーバーダビングを可能とするなど、一体何をどうすればこんな離れ業が出来るのか?驚き以外の何物でもありませんでした。

また、僕の場合はSeraphとSPL社のMADISONをMADI経由で繋いでいましたが、双方音に何も味付けがないというか、本当にただ広大な『場所』のみを提供してくるような音作りをしているので、何にも頼ることができない不思議な感覚を当初はうけました。例えばRMEだったりすると、かなりハイゲインでHi-Fiをアピールしてくる感じですし、AVIDであればあの独特な乾いたProToolsのサウンドが印象的ですが、Marianの場合は本当に何もありません。色付けが無さ過ぎて迷子になりそうな感覚というのは、説明のしようのないものがありますが、これが慣れてくると、とことん可能性のみを感じるようになっていきました。つまりは、ハードギアでガンガン音を作っていった折には、一切の干渉をしてこないので自由に音像を自分でコントロールできますし、何をどういう味付けで自分のマスタリングを終止させたいのかを明確にもできます。例えば先に挙げたRME社の場合、自らが既に音を持っているので、味付けの濃いハードギアだと必ず音作りには干渉してきます。あくまでRME社の作った土俵の中での勝負という感じがして、当初はその土俵を頼りにレコーディングやマスタリングを行っているので、土俵の外に出ることは許されないような感覚を覚えています。

伝統あるヨーロッパのマスタリングスタジオでも、このMarianを優秀な機材として挙げる人は多くいます。RMEのDigiface Danteは、どちらかというとDanteとMADI、そしてUSB経由でのレコーディングが可能ということで導入を決めましたが、やはりこのMarianがうちのスタジオにとってはメインのサウンドカードとしてあり続けることには変わりないかと思います。

因みに今回Marianが壊れたのは、車にPCを載せて右折時に思い切りPCを倒したが故のものでした。PCのメモリ、マザーボードも壊れましたから、PCIeカードも壊れるのは当然のことだったかと思います。

明日からの仕事が、また楽しみです。

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