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  • 執筆者の写真Furuya Hirotoshi

国際公式エンドーサーとして

Brauner マイク レコーディングマイク

国際公式エンドーサーとしての立場というのは、それぞれの機材を有利な条件で手に入れられるという以上に、世界的な知名度向上や名誉というメリットも大きいですが、それ以上に大きなものとして、音楽業界における欧米のハイソサエティの世界に仲間入りできるというメリットが最も大きいかと思います。これは想像以上のもので、一社に付き世界中には10人ほどのエンドーサーがいますが、外部には決して出てこない情報というものを沢山得ることができます。現在の世界における音のトレンドは、今後こういう方向性で作り上げられるという内容や、加えてそれに対してこちらの意見も反映されます。また、新製品の情報は凡そ2年前には知ることが出来ますし、そこに自分の意見を付加してもらうこともできます。また、社内の人事やそれがどうしてなのか?また、その人事が今後の開発にどのような影響を与えるのか?ということも知らされます。更には、世界的な音楽家の動向もリアルタイムで知らされることになり、エンドーサーつながりの仕事の紹介というものもあります。

そんなやり取りがある中で、4月のヨーロッパ訪問ではSPL社からの紹介で、レコーディングマイクにおける新世代の大本命と言えるBrauner社に訪れることになりました。これもエンドーサー契約を持つメーカー間でやり取りしてくれたため、外国人である自分に対しての先入観をBrauner社サイドが持たなく、信用を飛び越えての話し合いができるので大きな恩恵を受けたと言えます。国内では殆前例のないヨーロッパメーカーとのエンドーサー契約ですが、きちんとした歩みをして行き、きちんとした実績と人間性を身に着けていけば開かれないドアではありません。先ずは先方が是が非でも欲しいと思ってもらえるような人材になることと、本当に豊かな文化と人間性を有する芸術性溢れるヨーロッパの人々に好かれる必要があります。

ポーランドあたりですと、アメリカに寄った考え方を持つ人も多いですが、隣国でありながらドイツになるとその開発力と音楽文化の深さというところから、彼ら独自の自信というものを伺わせる発言が強くなってきます。もっとも僕が一番仲が良いのはデュッセルドルフを中心としたメーカーたちで、プロデューサーやエンジニア達も含め恐らく世界でも最も優秀な人達が集まっている地域かと思います。国境沿い故にベルギーやオランダとも近く、その周辺から成るアーティスティックな人々の文化は非常に分厚い層を構成しています。

例えばイタリア人でアメリカのラスベガスで活躍するミキシングエンジニア・プロデューサーの、ルーカ・プレトレイジーがツアーを行うとなれば、ヨーロッパでは必ず使用されるスタジオの一つとして、ベルギーのダンが主催するLeft Right Mastering Studioが真っ先に上がります。ダンはSPL社のエンドーサーで同僚でもあります。今回のヨーロッパへの渡航が決まりFacebookに載せたところ、真っ先に連絡をくれたのがダンで、世界的なマスタリングスタジオから声をかけてもらえるのは本当に喜びです。また、ニュルンベルクのスタジオからは、ライブレコーディング用に使えるマイクプリアンプの提案を受けており、名前の読み方がわからないのですがスタジオオーナーのIglからエンドーサーの話を貰ったりしています。

エンドーサーというのは以上のように、世界的に動きを大きくしようとすればするほどに、物凄いアドバンテージを与えてくれます。国内に縮こまっていてはどうにも手に入らない世界観でしょうし、ダイナミック感溢れる活動は更に可能性の大きな世界観を自らに与えてくれます。世界一流の音楽に対してダイレクトに触れることもできれば、更に高みを目指すことも可能になります。是非若い方々には、こんな世界もあるのだということで、国際公式エンドーサーを目指して欲しいと思います。

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