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  • 執筆者の写真Furuya Hirotoshi

ヨーロッパの旅オランダ・アムステルダム – Vacuvox と Abby Road Institute in Amsterdam 

オランダのVacuvox

SPLの後には、オランダにやってきました。前日にベルギーのDanところへ行った際、写真のコンプレッサーVacuvoxを、製作者であるBerryがDanのスタジオに同日に持ってくる旨を話していて、Berryとは非常に近くをかすめていました。同時に世界を見渡しても、トップの方で活動している人たちというのは多くなく、限られた世界であることも再確認させられました。

さて、本題のVacuvoxですが、製造場所であるオランダ・アムステルダムに到着したのは、予定よりも2時間くらい遅れてのことだったと思います。Google MapでSPLからの距離と所要時間を検索したところ、2時間と出ていたので安心していたのですが、実際走ってみるとかなりの渋滞に巻き込まれ4時間ほどかかったことになります。高速道路は全て無料なので、途中何度か乗り降りしながら走りましたが、渋滞回避といってもその景色が非常に美しかったので余り苦になりませんでした。

どうしてここまでしてアムステルダムまで来たのかというと、近年急激に成長したAbby Road Studio Instituteを見学することが含まれていたので、Vacuvoxのコンプレッサーに興味があるのと同時にAbby Roadがある以上、次回来れるのは何時になるのか分からないというところもあり、何としてでも到着する必要がありました。

Abby Road Studio Institute in Amsterdam の CEO Berryと共に。


始めて行くアムステルダムでしたが、いきなりドイツから車で入り都会のど真ん中に到着してしまい、相当に緊張しました。全くの見知らぬ国に車で入り、交通法規もそこまで分かっているわけでもないのに、東京のような混み方はしませんが、自転車がそれなりに往来しており汗だくになりながら何とか一時的に車が停められそうな場所を見つけて停車。Berryに電話をして迎えに来てもらいました。ハンサムでクルーザーでの航海が似合いそうな彼が目の前に現れて、地下駐車場に車を停められたときは本当に安心しましたっけ・・・

Abby Road Instituteと同じビルの一階にBerryの工房があり、正直なところ『ここでこの機材を作っていて食っていけるのかな・・・』という感じでしたが、急に彼が『君はハーバードで学んだ、エンターテイメントのビジネスマンだよね。僕もそうだ』と言い出したので、何のことだ??と思っていたところ、話を進めるとAbby Roadを運営しているのは彼だということが分かり、それなら話の辻褄が合う・・・というところで更にVacuvoxに話を集中して聞くことが出来ました。

実際にVacuvoxの音を聴かせてもらったところ、相当にパワフルな音がしており、特に低音の締まりというものはとてつもないものがありました。これは確かに、機材に煩い自分の周りでも導入する人がいるわけだ・・・と納得してしまうほどの出来でした。既に相当数の機材を聴いてきていますし、友人たちも世界のトップで活躍する人ばかりという状況の中で、特段感動モノの音を出す機材というのは減ってくる傾向にあります。また、凡そ機材メーカーも何処が好きでどういう方向性が良いのか・・・というものも見えてきますので、中々『これ』というものを探すことも難しくなってくるのですが、このVacuvoxは素晴らしいものがありました。そして話もそこそこにAbby Road Instituteへ。

このドアを開けると、それはそれは厳つい感じのミュージシャンたちや、個性的な人たちであふれかえっていました。こういう環境で揉まれれば、一流のスタジオワークが可能になるだろうな・・・と思わせるシチュエーションです。もっとも僕自身も、海外からのクライアントたちを相手にすることで、揉まれた部分は多分にあるので、個性が強く意見をガンガン言うタイプと仕事を共にするというのは最も成長するかと思います。

Abby Roadらしく、中央に鎮座するSolid State Logic Duality。注目したいのがBeyerのヘッドフォンで、ヨーロッパのスタジオはその殆どがBeyerのヘッドフォンが使われています。全くもって激しい解像度を持っているヘッドフォンとは真逆の性格で、この辺りからも音の感じ方・考え方というものを伺い知ることが出来ます。

レッドブルスタジオも、同じビル内に所在します。Abby Roadは教育機関としての立ち位置で、レッドブルは商業スタジオとしての機能を主たる業務としているとのことです。

アムステルダムの町並みは本当にきれいでしたが、実質上滞在したのは3時間前後だったかと思います。通常外国に滞在する折は、ビザの関係で最低2日間ステイする必要がありますが、陸続きでEUという枠組みの中に入ってしまえば、パスポートフリーで横断が自由ゆえにできた技と言えます。自分としても、初めての国に自分の運転で入国したという経験は初めてでした。

また、ドイツからオランダに高速道路でそのままつながっていますが、途中アムステルダムに到着する道すがらというのは、アメリカのテキサスよりも遥かに巨大な道を走りました。テキサスは一時期通った地域から、高速道路は幾度となく走っていますが、オランダのほうが遥かに広大な土地を思わせるものがありました。恐らくはヨーロッパという離れた土地柄もあり、日本にはあまり情報が入ってこないのかと思います。強くて大きなアメリカというイメージですが、広大さという意味ではヨーロッパのほうが遥かに大きなスケールかと思います。

美しいオランダの田舎道


所変わって、アムステルダムの街中


アムステルダムの街中を、車で走りBerryの待つビルまで走る。


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