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執筆者の写真Furuya Hirotoshi

SPL Iron

マスタリング・コンプレッサー

SPL本社と、次回の大型アップデートに向けて話し合いを続けています。 その中に、2年前にリリースされたIronというコンプレッサーの導入が決定しており、この機材の解説を少ししてみたいと思います。近年のコンプレッサーやEQの立ち位置というものは、以前行なわれていたような『補正』という概念から全く異なる方向性に動いています。コンプレッサーは『異なる世界観』を実現するための機材であり、EQは楽曲を積極的に構築するための機材として進化してきています。よく日本のレビューで見られる、『クリーンで味付けのない、素直な音がする』という記事は、単に使いこなせていないだけです。というよりも、メーカー側からの明確な意思を吸い上げることが出来ずに、その文化を上手く日本に持ち込めていないとでも言えば良いかもしれません。そもそも欧米の一流メーカーは、それまでとは全く異なる思想・哲学で機材をリリースしてきますから、これまでの常識にとらわれて音に臨めば、撃沈することは間違いありません。 そもそも味付けのないクリーンな音など、あれほど強烈な個性を放つメーカーが作ってくるわけがなく、何かしらの明確なコンセプトなしに大型の投資をして機材をリリースしてくることは考えられません。 そして、その強烈な個性と最先端の思想を盛り込んだのが、このIronということになるかと思います。恐らくは現在最も進んでいる機材であり、これとelysiaのalpha compressorのセットで音に臨めば、大凡の楽曲で最新鋭のクリーンサウンドは出来上がるはずです。これに加えて、Bettermakerのリミッターも用いると、更にHi-Fiになるはずなのですが、場合によってはToo Muchの可能性も否めません。今名前を出したメーカーだけでも相当に先進を行っていますが、具体的に楽音の景色に変化を与えることが直接的に出来るのはこのIronでしょう。 音の通るバイアスを、幾つかの異なる素材で構成することで音色と景色を変えることが出来ます。この変化には正直度肝を抜かれる経験をし、上手く使いこなせれば正に次世代の音に到達できると思われます。面白いのは、SPL本社のプロダクトマネージャーのサーシャ曰く、コンプレッサーでありながら-dBのInputでの使用を推奨しています。これは本社に行った折のエンドースにおけるオーディションで、具体的に彼から示されたIronを使用する上でのお勧めサウンド・メイキングでした。この辺の考え方からして、このコンプレッサーが如何にこまでの機材と異なる路線を行っているのかが伺えます。 ここから先は音を実際に用いてご説明したいところです。将来的には、そんなチュートリアルも日本語版で制作できたら良いな・・・と考えています。

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