兼ねてから興味のあった機材、Little Labs vogを導入できました。プロジェクトが次々に押し寄せて、正直なところパンクの状況ではあるのですが、これまで積み上げてきたものから更に高みを目指すためには、投資はやはり必要です。ブログを書いているこの時間、日本時間の夜9時辺りから時差で海外が急に元気になりだしメールが増えます。メッセンジャーやあらゆるSNSにもコメントが増え始めて、プロジェクトの交渉が世界中と始まります。たったこの2時間だけでも、ミラノ、デュッセルドルフ、ケルン、サンクトペテルブルグ、ワルシャワ、ロンドンとチャットや電話で楽曲制作の進行具合を確認したり、アレンジの内容を詰めたりしました。本当に今や完全にオンラインで繋がれた音楽プロダクションの世界は国境などないと言って差し支えないでしょう。

さて、そのプロジェクトの進行から考えても、低音の作り込みというのは常に大切に考えています。EQでブーストするのか、若しくはこうした専用機を用いるのか、Bootのようなプラグインで強調するのかなどなど、様々にある選択肢をより有用に用いて楽曲を最高精度に仕上げるのが我々の仕事です。ただ、プロデュースから請け負っているケースが殆どなので、所謂エンジニアとしてのみの参加ではなく、楽曲全体に対して責任を負う形となるので、最終型の決定までを行わなければならないので、猶更楽曲のクォリティの全体像というものを重要視します。しかもそれが世界の超一流たちと対等に張り合うとなると、その熾烈極まる要求やクォリティの高さはご理解いただけるかと思います。

なので、うちのスタジオは最新鋭のハードギアが中心です。この機材について、低音のコントロールがどうというよりは、世界の競争において何処がアドバンテージとなりえるのかを考えるとき、強烈なダイナミックレンジから、繊細なアップライトベースを表現しようとすると、ハードならではのパワフル且つ芸術的なサウンドメイクが必要になるということでしょうか。

IGS Audioの真空管Pultec EQ、RubberbandがIGS Audioから帰ってきました。今回はモデファイのために一度ポーランドへ送り返しており、自分が明るくないパーツの交換をしてくれているようです。確かに3Dのサウンドを作り上げる上では、今日聴いたところによると優れているように感じました。基本的にはSPLの一連のマスタリング機材が無い限り、昨今の強烈な3Dサウンドを作ることはほぼ不可能という状態にまでここ1年くらいで世界の音楽市場が進化しました。それは大前提ではありますが、ただ3D若しくはHi-Fiであればいいのかと言えばそんなことはなく、その3Dを更に分厚く、若しくはリッチなサウンドでサポートする機材というものも必要になります。今回のRubberbandのモデファイは、正にそれを思わせる出来栄えで、濃厚な真空管サウンドというものを楽しみながらマスタリングできるイメージです。

ドイツ・デュッセルドルフに在住のイタリア人作曲家、トニーと共作することになり契約書を交わしました。今回プロデュース、編曲でドイツの音楽団体GEMAに登録されるとのことで、本格的に世界で活動する醍醐味というものを感じています。

オンラインで繋がれている音楽の世界は相変わらずアグレッシブで、昨今のコロナウィルスの騒動で自粛ムードのある国内業務とは大きく空気が異なります。毎日のようにプロデュース、ミキシング・マスタリングの依頼をオンライン上で受け付け、リファレンスと共にこれまでの作品を先方に紹介するという仕事が日本時間の夕方くらいから一気に始まります。恐らくは、今日だけでも20ヵ国くらいの方々とやり取りしたかと思います。

国内のスタジオワークも、もっとオンライン化が進み世界と足並みを揃えても良いかと思います。世界規模のマーケットですとやはり数が物凄いので、それをこなすためのノウハウが共有化されオンラインに行き付いているのかと思います。時代はどんとんと先に進みますね。