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  • 執筆者の写真Furuya Hirotoshi

欧米人の若手エンジニアを受け入れ、国内のスタジオワークに変革を

マスタリング機材

欧米のエンジニア、スタジオからも称賛と尊敬を集める当スタジオのマスタリング機材


『そちらのスタジオにインターンとして行くことは出来るのか?或いは雇ってもらうことは可能だろうか?』

そんな連絡が世界各国から当スタジオには入ってきます。仕事上で付き合いのある地域は勿論、全く意表を突かれるような国からもヨーロッパを中心にメッセージが届きます。特にヨーロッパチャートへ楽曲を送り込むようになってからは、その傾向はより強くなったように思えます。これは非常に名誉なことであり、世界に向けて当スタジオの名声が広がりつつあることも感じ取ることが出来ます。

そしてこの良いサイクルというものを、国内へ如何に引き継ぎ、より良い影響を与えていくを考える機会でもあります。これまでにも述べてきたように、国内のスタジオワーク、並びに音に纏わる仕事に就く人々はグローバルスタンダードに準拠していないことが殆です。まず音の価値感というものにおいて、日本特有の文化を有しており、J-POPにしても日本在住の欧米ミュージシャンを始め、海外から聞こえてくる評価というものは決して良いとは言えません。仕事上の付き合いでお世辞を言うことはあっても、高評価として彼らがビリー・ジョエルやエリック・クラプトンに並ぶアーティストとして、J-POPを認めることは決して無いでしょうし、それはドメスティックである国内でも同じ評価かと思います。

どうしてこのようなガラパゴス化が起こっているのか?スマートフォンに代表されるように、ガラパゴス化が悪いことばかりでないことは明白です。しかし、当スタジオへ向けて送られてくる、全世界からの音楽ファイルは、それが先進国であろうと第3世界からのものであろうと、その方向性というものはグローバル・スタンダードが存在し、それに準拠する形で作られていることが殆です。DAW内であろうと、ハードウェアを使用した高級なアナログサウンドであろうと、どちらであろうが準拠する最低限の音作りというものは世界各国共通のものを感じます。近隣国であれば、韓国のアーティストを担当した折にも、やはり日本とは異なるグローバル・スタンダードの音に違いはありませんでした。

これらは一体何が起因しているのか?洋楽に触れることも容易な現在、進んでそれら価値観をグローバルの波から吸収することは容易なはずです。それが何故、

『洋楽の音、日本の音』

というものが殆ど全ての人の間に価値観が出来上がってしまい、グローバルに準拠しようとする思考そのものを何故失っているのかを考慮する必要があるでしょう。それは想像するに、国内の関係者における思考の硬直化ではないかと考えています。

その硬直化を解くには、全く新しい価値観が強力な形で流入しなくは、決して変化というものはないでしょう。その意味で、欧米からのエンジニアを受け入れることにより、彼らの新世代ならではの刺激というものが、国内へより良い影響を与えてくれることを期待しています。

国外へ出て評価された私達の感性と技術は、今度は欧米から憧れを持って見て貰える立場になったがゆえに、彼らをスタジオへ招き入れ新たな価値創造を共にするという展望を見るようにもなりました。

今後の活動にご期待下さい。

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