Kii Three スピーカーにおける、エクステンドスピーカBXTの導入を検討しています。Kii Threeを導入して、半年が過ぎようとしています。非常に高価なスピーカーでしたが、ドイツ本国のクリスCEOの別荘で聴かせてもらった音は、230v化も含めて一気にアップグレードしたこともあり、期待以上のサウンドクォリティで仕事を盛り上げてくれています。特に昨今のマスタリングというのは、定義がより明確化されてきたこともあり、これまでとは手法が全く異なります。とてつもなくアグレッシブに作り上げる必要があり、ミキシングではどうにも行き付けない領域をマスタリングで作り上げる手法へと劇的に変化しています。スタジオ側に求められるマスタリングの領域というものも、濃密なものとなり以前のような雰囲気を醸し出したり、お化粧をする程度のものとは明らかに変わりました。
音の世界を更に追求する手段を考えた折、最高性能のスピーカーの存在というものは無くてはならないものとなりました。特に感じたのが、ベルギーの世界的マスタリングエンジニア、Danのスタジオを訪れた時で、彼のamphionから流れ出てくるサウンドというものは、今自分に最も必要と思える音像を描き出していました。というのは、彼のamphionにはエクステンドの低音スピーカーが取り付けられており、手に取るように低音側の音像が見えたからでした。
より詳細な描写というものは、最終的には最高性能のスピーカーで表現されジャッジすることになるわけですから、その存在はどのプロセッサーよりも重要と言えます。先に述べましたように、昨今のマスタリングは極限まで音質をブラッシュアップするため、少しのミスも許されないような次元へと音源を持ち込む必要があります。
Kii Threeを使用しているアーティストやエンジニアは決して多くなく、僕がKii Threeを使用していることは、訪れた多くのヨーロッパのスタジオで知れ渡っていました。それほどに、新進気鋭メーカーとしての注目度が高いと共に、その分析力というものは非常に高く評価されています。
これまでも様々なプロジェクトでこのスピーカーを用いてきており、以前から比べると圧倒的にリテイクの数が減ったこと、そして楽曲の描写自体も精密故、自分自身のスキルも上がってきていると感じています。3カ月もすれば、自分の今作っている音は古臭くなるわけですし、1年後は全く別人に成り代わっていることでしょう。実際にヒットした楽曲でさえも、今聴けば今一つ垢抜けない・・・と感じてしまいます。そういった最高精度のマスタリングを実現する意味でも、このKii Threeという存在は無くてはならないパートナーですし、更にBXTを追加で設置するという考え方は、さらなる可能性を広げるという意味でマストの存在と考えています。
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