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  • 執筆者の写真Furuya Hirotoshi

Kii Three 5.1chサラウンドシステム

マスタリング用スピーカー

スタジオアップデートのプランも佳境に差し掛かっています。日本にはまだ代理店も見当たらないKii Three ですが、元々はロンドンのアビーロード・スタジオをコンサルティングするTomから、『Berfootとamphionの良いところを取ったようなスピーカーだよ』という紹介を受けて、その存在を知るようになりました。そしてオーストリアのマスタリングエンジニア、Horstが自らのスタジオに導入したことで、彼が絶賛たコメントがFacebookに流れるようになり、そして昨年末にドイツでCEOのクリス宅に呼んで頂き、その音を確かめるに至りました。 音に関しては、間違いなくこのKii Threeにしかできない、とんでもない機材であることには間違いありません。360度場所を問わず6つのスピーカーから無指向性で音が鳴るわけですから、これまでの常識を覆すような、言わばルーズとも表現できるポイントで驚異の音を聴くことが出来ます。僕の仕事の場合は、ピアノ曲を中心としたクラシック音楽を扱うことも多いことから、非常にリアルでレンジの広い、尚且シビアであるスピーカーを求めます。フランスのマスタリングエンジニアであるBenjaminは、一時このKii Threeを導入しすぐに売却してしまいました。理由としては、余りにAnalytisc(分析)的だということで、もっと音楽的な響きをスピーカーに求めていたようです。でも僕の場合は、その分析力こそを求めるところもあり、逆に音楽的すぎる、若しくは独自のカラーの強いスピーカーは好まない方向性にあります。というのは、先ずは自らが非常に色合いの濃い音作りを心情としているところと、加えてアコースティック楽器を積極的に扱う楽曲を得意とする場合、クライアントからの要求も音楽的と言うよりは、マイナス面を如何に減らしていくか?という部分も大切であったりします。要はホール録りなどは、電子的なリバーブなどを用いない反面、意表を突かれるようなエラーが起きることがあり、その原因をクライアントともに探さなければならないという一幕もあったりします。故に、単一的に音楽的であれば素晴らしいとは言い難いものがあり、相互のバランスを保つためには、ハイスペックで高密度な音が鳴ってくれるスピーカーを好む傾向にあります。加えて使用機材が非常に強い音色を持ち合わせており、複数のイコライザーを所有する理由としても、それぞれに音色があり特徴があるがゆえに導入しているので、逆にスピーカーに音色があることでイコライザーの個性をイマイチ理解できないという側面を嫌うところもあります。 これらが総合的な最終判断として、Kii Threeを導入するに至った理由ですが、このモンスタースピーカーを5.1chでサラウンドシステムを組むという打ち合わせになったので、これまた世界が驚愕というシステム作りを考えついたということになります。クリスCEOからエンドースメント契約を打診されたのも、フランスのBenjaminが僕のFacebookに、『何故Kii Threeなんだ?』という意見を言ってきた時に、以上のポジティブな回答を行っていたところ、それを見ていたクリスがエンドースメントを決めてくれました。 2本で1500wですから、そんなモンスターを僕のスタジオで全開で鳴らすことはありえませんが、そのキャパシティから生み出される余裕こそが、今後の音楽制作に活かされていくと感じています。日本のエンジニアたちも興味津々のようなので、お披露目会もそのうち行ってみたいと思います。SPLにしてもKii Theeにしても、そしてelysiaにしても、世界的なメーカーが兎に角世界初の試みは僕で実験するという、何とも面白い立場になりました。エンドーサーとして世界のトレンドを僕のスタジオから発信できるという楽しみもあり、今後の展開で更に深化させた音作りを可能とするシステムを考えていきたいと思います。

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