IGS Audioの機材一式がポーランドから到着しました。一部は再度のチューニングを依頼しておりましたが、最高精度の機材として生まれ変わり再スタートを切ることができました。今回スタジオで導入・デモとして入れたのはapi500シリーズの電源モジュールですが、一式揃い更にはIGSでIgorの手によりチューニングされたサウンドは、正にスペシャルということができるかと思います。
IGS Audioの持ち味と言えば、その濃厚なサウンドが何と言っても魅力です。これはどのメーカーも真似することは出来ていいないように思えます。復刻版のような機材も一部ありますが、どれも決して泥臭いようなビンテージ機材を目指しているわけではなく、現代のHi-Fiサウンドを目指しながらも、必ずIGSならではのブランデーに例えられるような、コッテリとしたサウンドを持ち合わせています。これは正に魅力ですし、スターリング・マスタリングやメトロポリス、それにアビーロード・スタジオがSontecやMaselecをある程度統一して入れているのに対し、後発であるうちは更にその先を行くべく、SPLやelysiaを中心にエンドーサー契約と共に機材を用いているため、正にスーパークリーンと迫力のHi-Fiサウンドを実現するシステムを作り上げています。その反面、『音色としての味わい』という部分が抜け落ちてしまう可能性があり、それを埋める意味でIGS Audioをメインに補完しています。
この濃厚な音というのは、apiのようなパンチーというものとも違いますし、maagのような劇薬とも言えるようなEQingが可能なサウンドとも違います。やはり感じるのは、ショパンの国が作り上げた、長い歴史感から来る音作りというものです。
これはオーケストラの音にたとえられるかもしれません。ベルリン・フィルは正統派としてオーケストラのスタンダードの音と言えるでしょう。ウィーンフィルは、非常に高域を美しく奏でるため聴き映えがします。方やイギリスのロイヤル・フィルは、どちらかと言えば正統派のクラシックと言うよりは映画音楽が似合いそうなライトな音作りをしてきます。これに対して実際に生のコンサートで聞いたワルシャワ交響楽団は、非常に迫力ある厚みある音と共に、奥深く正に濃厚というサウンドをつくりあげているい感があります。
ピアニストたちの音作りも同じで、ヨーロッパと一口に言っても、狭い隣国の地域であっても国柄というものが音に現れているイメージがあります。こうしたオーケストラや実際の演奏者たちがどのようなサウンドを作っているのかを考えたとき、機材自体の方向性や音作りというものを感じ取ることも出来ます。IGS Audioは、現在のマスタリングチェインの中にあって、SPLを始めとするドイツ系が圧倒的な強さを示す中、また一味違った個性で勝負を挑むことのできる機材であるかと思います。
今後更にラック版のEQやコンプレッサーなどを入れていきたいと考えています。デモも出来ますので、お気軽にご連絡ください。
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