昨日ポーランドから到着した HUM AUDIO RS-2 を実際のピアノレコーディングに使用してみました。
マイクというのは、その組み合わせにより様々な表情を見せるのですが、特にピアノとなると一つの楽器に対して多くのマイクを使用することで知られています。それぞれにポジションと意味があり、どういう音色へと導くかをしっかりと決めておかないと、そう簡単に成功させてくれないのもピアノのマイキングです。そういう意味で、接近マイクがEarthworks PM40であることは大前提となるまいキングではあったのですが、スタジオでもホールでもBraunerを用いるとSPL Crescendoマイクプリアンプの存在も相まって、音像の大きすぎる現象に見直しを強いられていました。簡単に言えば、EarthworksとBraunerをニア・ミドルで用いるとどちらかを切りたくなるような現象を感じていました。要は両方共に解像度が非常に高く、その音が重なることで強烈な音像と解像度、更には重厚感も演出され、too muchな音色というものを感じさせるまでになっていました。
そこへ今回のRS-2は救世主という感じで現れ、ミドルに置いたところEarthworksとの相性が抜群で、正に音楽的という表現に似合う音色を放つマイキングに成功しました。流石はポーランドが生んだステレオマイクで、しかもリボンマイクという特質から音に硬さがなく、芯がある中にも美しいピアノらしい音色を作り上げられます。この組み合わせというのは、何となく勘で組み合わせればどうにかなるものではなく、長年のトライアンドエラーで導き出されるものです。
音楽の都オーストリアのマスタリングエンジニアが推奨し、更にポーランドで製作されたマイクとなれば、ショパンを生み出した国柄というものを存分に感じさせる音色を発するマイクとも言えるかもしれません。
その伝統ある国柄を感じさせる音色とともに、更には素晴らしいのがその先進性です。このマイクにはM/S、Air Boost、Low Cut、Phase Invert、DimそしてVolume Controlと様々な機能を遠隔操作できるコントローラーが付属しています。実際にコントロールルームにコントローラーを置き、ボース側のマイクをコントロールしてみるという行為をしてみましたが、スムースにやり取りが出来ると共に、メーターを見ながら直接コントロールできるので素晴らしく扱いやすい環境と言えます。この操作性というものは、特殊な機能が付いていればいるほどに、アドバンテージを発揮すると言えるでしょう。
更にはホールレコーディングなどを重ねていき、このマイクを使い込んでいきたいと思います。
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