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執筆者の写真Furuya Hirotoshi

elysiaのAPI500シリーズ – コンプレッサー&EQ

マスタリング・ミキシング・レコーディング

昨日のオペラアリアのミキシングで、大活躍したのがSSL XL-DESK にインストールされている、elysiaの500シリーズです(紺色のパネルの機材)。このコンプレッサーとEQに関しては、それはもう多彩でユニークな機能に加えて、自分に全てがピタリとマッチしてくれる音色と多様性を持ち合わせてくれています。 例えば、僕の場合レコーディングはクラシックのみ行うので、全ての楽器が最低2本セット、つまりステレオ環境で扱うことになります。サラウンドの環境を求められるケースもありますが、まだまだ時代としては2chレフト・ライトで推移しているので、ステレオに対応しているelysiaに様々な楽器を通して音を作っていきます。特にオペラ歌手の歌う、ステレオマイクで収録された歌唱というものは、このelysiaしかありえないのではないかと思えるほどに美しく声を演出してくれます。僕はステレオで録られた歌唱を、elysiaのコンプレッサーに掛けるのが大好きです。 昨日ドイツやロシア発の音源というものが、新世代の音楽を発信していると書きましたが、その手法というものはまず音楽への解釈という部分から着手されています。そして、その先にはミキシング・マスタリングで行き過ぎとも言えるほどの、激しいコンプレッションを行っており、例えばストリングスが極端と思えるキレキレの演奏とともに、強烈な音圧で演出されているものも多々あります。最近のクラシック音楽の収録は、思った以上にアグレッシブに制作されるものが多いように思えます。 また、楽器の中で最大とも言える広い音域を持つピアノも、低音や中音域のEQカットに用いる場合には、やはりelysiaを多用します。カットであれば、プラグインでも良いのではないかと思われるかもしれませんが、やはりハードギアならではの心地よくもレンジの広いカットを行うのであれば、プラグインの使用というものは極力避けるようにしています。 また昨日の仕事には少し関係がないのですが、ステムマスタリングを行うときには、elysiaは正に最強と言えるリソースだと思っています。どうしてもステムマスタリングというと、トラック数が増えてしまうがゆえに、プラグインで纏めていく傾向にあるのですが、僕の場合はフルアナログ機器で纏めるようにしています。日本でこれが出来るところって、他にあるのだろうか・・・その上、SSLのコンソールに全ての音源を通すので、かなり突っ込んだ音作りというものが可能になります。プラグインだと、少し音にプレッシャーを与えると直ぐに破綻してしまうのと、あと音から立体感が失われてしまうので、やはり全てハードギアで作り上げるステムマスタリングというものは別格の音がします。 このハードで作り上げたサブミックスの集合体を、更にマスタリングEQやリミッターにかけてステムマスタリングを完成させています。 文面を書いているだけでも、楽しくなってきました(笑)。

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