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執筆者の写真Furuya Hirotoshi

若い世代を中心に、変わりつつある国内のサウンドの価値。

J-POPと欧米の楽曲の違いというものは、誰もが分かりやすい例えとして用いられます。そして世界レベルというものに、国内の音楽がどうしても届いていないことも共通認識と言えるでしょう。こうした中、世界の中で激しく競争を繰り広げる当社の音楽プロダクションでは、国内勢とのサウンドの違いというものを明確に説明してきました。欧米からのサウンドを期待されて受注しても、結局のところ求められるサウンドクォリティでは、スタジオの能力として1~2割程度の能力しか用いないということも多いJ-POPの常識は、私たち自身が感じている通り、欧米のスタジオエンジニア達からも苦情に似たような声が聞こえてきます。

そんな中、国内にスタジオを構えながら世界中の仕事を受注するスタイルを貫き、孤軍奮闘してきた努力がようやく実りつつあります。特に若い世代が貪欲に良いサウンドを求めて、当スタジオを利用して頂いている中、エンジニア側の能力も機材も100%の力を出し切らないと、行き付けない領域のサウンドを求めてくる人たちが増えてきました。いわゆるヨーロッパやアメリカで求められるサウンドそのものを前面に押し出し、それで勝負して『これは良い』という反応を貰えるのは、日本という地においても本格的にグローバル化が始まったと感じさせられる出来事でもあります。

これだけ音楽が蔓延り、ありとあらゆるソースで聴くことが出来るのに、何故かガラパゴス化してしまった国内の音楽市場を、再度グローバルという広大な地で勝負をする時代が来たとも感じています。それは明らかにサブスクリプション型の音楽消費が後押ししているわけで、普通に国内と海外の楽曲を均等に聴いて行けば、そのレベルの差というものを感じざるを得ないと言えるでしょう。そうした潮流において、敏感な若い世代がどんどんと出てきて、これまでのガラパゴス化を排して、共にグローバルの目線へと変化できる絶好のチャンスとも捉えています。

大きな変化が起こる時というのは、物事は信じられないスピードで動きます。音の価値そのものが激変するのであれば、これまでの価値や常識は無に帰され、徹底的に変化が起こり再構築の時期がやってきます。いえいえ、もう既にリスナーレベルではそうした革命は起きている状況で、実際機材はリスナーたちの大半は海外性である事実からもすれば、ソフト側もグローバルに準拠する必要性が出てきます。それくらいに、激動期ともいえる時期に差し掛かっています。

特に若い皆さんには、その真新しい価値観で世界の舞台というものを、一緒に見つめて行きたいと思っています。

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