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執筆者の写真Furuya Hirotoshi

世界はSPLのマスタリング・チェイン一色

新しくリリースされた、SPLのマスタリング・チェイン

SPL社のOfficial Facebook Pageより、ニューリリースされたマスタリング機材


世界のマスタリング業界におけるSPLの地位は、絶対的になったと言っても過言ではないでしょう。昨今発表される彼らの機材は、毎回世界を驚かせ歓喜に満ちた世界観を作り上げています。こうした流れを作り上げた彼らの機材は、世界中で導入が進み、マスタリング業界はMaselecやDangerous Musicを遥かに上回る導入実績を見せるようになっています。特にアメリカ勢が英語圏の機材からSPLに乗り換えているケースが目立ち、自分が師事したジョナサン・ワイナーもSPLへ切り替えています。

勿論エンドーサーである当スタジオでも導入は進んでおり、昨年はPQとCrescendoを導入し、そして春にはマスタリング・コンソールやルーターの導入を計画しています。更にはIronやDAコンバーターも導入の考えを持ち合わせており、段階的にSPLの機材へ全面的にスイッチする準備を整えています。

SPLの何が素晴らしいかと聴かれれば、やはりその広大なヘッドルームから作り出されるダイナミックレンジと音色、そして各機材が持ち合わせている特有の哲学と言えるかと思います。マスタリングコンソールは、一昨年SPL本社を訪れた際にSaschaから実際に見せてもらい、他のプロトタイプと共に音を通してテストする機会を与えられました。全ての機材を完全に触ったわけではないので、どこまで理解が進んでいるかという部分もありますが、確実にSPL社が世界市場でNo1の地位を獲得しに来ていることがよく分かる、次世代の機能というものを持ち合わせていることを伺わせました。

例えば大ヒットとなっているPQとIronですが、この2つを見ただけでも120vのテクノロジーをベースとして150dBのダイナミックレンジを誇る、EQやコンプレッサーというものはこれまでにあったでしょうか?そしてIronは、コンプレッサーと言うよりは、何か別の機材です。これまで考えられてきたコンプレッサーとは、全く異次元の機能と音色を発しています。この2つのプロセッサーを基本として、更にブラッシュアップを図ってきたと思えたのがマスタリング・コンソールとルーターです。特にルーターは、内部でデジタルルーティングできるというとてつもない機能を持ち合わせており、これにより機材の順序を自在に入れ替えることで音色の変化を操ることが出来ます。

そしてこれらチェインを、全て内部電圧120v、150dBのダイナミックレンジを誇る機材へとシグナルを一任でき、ここから繰り出される音というものは従来の常識を遥かに逸脱するレベルであることは言うまでもありません。

結果的にSPL社の本拠地では、SPLだらけのスタジオが乱立するようになり、世界的な形でヒットしています。

スターリングやメトロポリスがMaselec with Sontecであるならば、当スタジオはSPLとelysiaで武装したスタジオと言えます。今後も面白いチェインを組んでいきたいと思っています。

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