今日の出来事で一つメモをしておこうと思います。
うちに入ってきたアシスタント2人ですが、既にプロ活動のレベルにある人材を入れたので、どれほどに勉強を共にすることがあるのかは測りかねていました。結局2人ともマスタリング勉強会を開き、マスタリングそのものというよりは、音の感性をよりつぶさに学んでいくというスタイルをとっています。そうした中で、彼らから発せられる言葉としては、
『マスタリングは日本で学ぶことは出来ないと諦めていた』
ですとか、
『感性というものを勉強する機会がなかった』
という発言が目立ちます。これは正に現在の国内の状況を表しており、ロジカルな形でスタジオワークを世界最先端の考え方、ノウハウを用いて教えることのできる機関はほぼ皆無と言ってよいかと思います。もしあるのだとすれば、世界の中での活動でもその存在というものは聞こえてきますし、優秀な人材というものも既に出てきていたことでしょう。しかし、世界の舞台では殆ど日本というものの存在は語られることはなく、僕が孤軍奮闘しているような状況であることは違いありません。そういう中で感じる課題としては、今後どういう形をとって理論的かつ柔軟な姿勢で、マスタリングを教える施設を作っていくか・・・という難題を考え始めています。世界で行われている音作りとは、全く異なるベクトルにある国内の状況を考えたとき、本格的な教育施設というものは必要だと考えています。これは閉鎖的であった国内の音楽制作全体が、今後はグローバル化によって大きく変貌を遂げるときに、音自体がグローバルスタンダードへと準拠する必要があり、そうしたニーズにこたえる人材というものが不足することは十分にあり得ます。
今のアシスタントたちが育ち、しっかりと歩みをしていき実績も十分に兼ね備えられた時には、スクールという形でマスタリングをはじめとするスタジオワーク全体を学ぶ設備を整えたいとも考え始めました。初心者からプロまでを受け入れる態勢を整えて、初心者はプラグインで、プロはハードギアをふんだんに扱えるようなスクールにしたいとも思っています。
スクールと言えばDAWの中のみで完結させるイメージがありますが、どうせだったらハードギアを次々に扱える設備を持っていれば、より高度な音楽制作の伝授が可能になります。色々と考えられることはありますが、僕がバークリー音大でマスタリングを習った折のように、スーパースターから指導を論理的に受けられるような仕組みにしたいと思います。
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