お陰様で、非常に多忙です。 今日はスタインウェイピアノの修理で、1920年台のグランドピアノB型を直しに伺いました。この年代のスタインウェイピアノというのは、ダンパー部分に調整ネジがなく、異音がしたり動きが悪くなったり、更には角度を調整したい折には、ニカワで止めてあるフレンジをカッターなどで割れ目を入れ、フレンジを外し後ほどそのフレンジをネジで止めるように加工を施す必要があります。かなり厄介なのですが、さすがはスタインウェイその時代その時代に思想を感じますし、その時にとっては完成されたものであったと感じるポイントも幾つもありました。 現代の設計と全く異なる点としては、通常グランドピアノで用いられているダンパーアクションの固定位置が、より無理のない状態で取り付けられており、なおかつ動きがより少量で済むように設計されています。たしかに現代のほうがメンテナンス性には優れいていますが、アクションのスイングという意味では、もしかしたら昔のほうが無駄がなかったのかもしれません。 こういう普遍的な考え方をするところは流石の部分があり、短期間の研究や開発でどうにかなるものではないと感じさせられます。一つ一つ、その時その時の完成度の高さというものは、欧米ならではの考え方ではないでしょうか。
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