様々にウンチクを語っているのですが、ここで実例を1つ。 僕はミキシングでもマスタリングでも、常に意識する音というのがあります。凡そのこれまでの経験で、様々な楽器が鳴る1つの楽曲の中で、スネアが美しく抜けてくるように作り上げていくと、透明感溢れる音が作れる傾向にあります。また、同じく物凄く重視するのがコーラスです。 この動画のTOTOの音源は、正に理想的な形で仕上げられていますが、彼らのコーラスというのは相当に拘りのサウンドであるがゆえに、如何に美しくハーモニーを聴かせるというのが大切になると思っています。 この作品は全く僕は関わっていませんが、昨年スイスの放送局から受注したTOTOのライブ音源に、マスタリングで参加した作品がありました。恐らくは、このライブ音源よりもコーラス専門のメンバーも加わっており、より壮大に楽曲を仕上げていこうとする姿勢が見えたために、よりステレオイメージをワイドに取ろうとしたために、2mixをマスタリングするには無理あると判断し、ステムマスタリングへ移行した経緯があります。 他にもサウンドメイクにおいて大切にする箇所というものはたくさんありますが、1つ欧米で常に気にされる音の性質として、どんなにハードなロックであっても、一定の『静けさ』という部分を演出できないと、中々良しとする判断が下らないことが多々あります。この音源からも、勿論その”静けさ”をいうものを感じ取ることが出来、ハードロックまでをこなすTOTOほどのバンドでも、メロディの美しさやハーモニーの美しさなど、音楽の基本的要素を非常に大切にしていますので、ある種非常にしっとりとした音を感じることが出来ます。 今日は少し視点を変えて、ブログを終わらせたいと思います。明日は、お昼からクラシックのレコーディングです。
Furuya Hirotoshi
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