今日は、夕方にコンプリート・グランドピアノの調律でした。 最近アメリカで、Piano Technicians Masterclassを受講し、伝説的な調律師達に師事した故に、かなり濃厚なピアノに仕上げることが出来ました。Masterclassの講師であるKenやDavid達の話を聞いていると、正に伝説のピアニストたちの話を聞かせてくれます。彼らのお父さんが、やはりピアノ調律師でラフマニノフを担当していたとか、ルービンシュタインはこういうピアノが好きだったとか・・・まあ、流石は20世紀にアメリカへエンターテイメントの中心が移ったことで、クラシック音楽も栄華を極めるわけですが、その中心に居た彼らの活躍を聞くと胸が踊ります。 そして、そんな彼らのノウハウを教えてもらったわけですが、それは彼らが経験してきた音楽文化の極一部を切り取って、後輩である僕たちに、現代では失われてしまった奥深い感性というものを指し示してくれているのだと思います。 そして、そんなノウハウを、今日はピアノへ反映しようという日です。 このコンプリートピアノは、納品から12年を経ていますが、オーナー様の丁寧なメンテナンスの甲斐もあり、非常に良い状態に保たれています。音色は正に欧米のサウンドを取り入れた、素晴らしい仕上がりを見せています。 そして今日の音作り。様々にノウハウはあったのですが、やっぱり濃厚な調律でまずは音を作ろうということで、コンプリート・グランドピアノを仕上げました。さすがはすごい威力。ビックリのピアノに仕上がりました。 オーナー様も、10年以上付き合われてきたピアノが、パーツ交換を行うこと無く、音が激変したことでびっくりされていました。素晴らしい。調律も、やはり本国の手法は素晴らしい。違いは確実に出ます。でもこれは、根本的に素晴らしい音が出ていることが前提となる音作りですね。
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