スタインウェイ・グランドピアノの、ダンパー総上げを調整中です。 これが調子悪いと、ハーフペダルを始めとして、楽曲の構成に対して様々な不具合が発生するので、最も神経をとがらせる調整の中の一つです。美しい調べの中にあるスタインウェイでも、ちょっとした一つの不具合で、評価をかなり落としてしまうこともあり、ピアノを扱う側としては事細かに全体像を見渡して調整を施しておく必要があります。 ピアノのインターフェイスは、演奏者に対して鍵盤部とダンパー部のたった2箇所。このたった2箇所のインターフェイスを構成するために、気が遠くなるような部品点数でグランドピアノは構成されています。 そして総じて全ての機能が最低限きちんと調整され、はじめて『それなりに弾きやすいピアノ』と評価されるわけであり、更には『良いピアノ』との評価を得るためには、所謂”きちんとマニュアル通りに調整されているピアノ”を更に深化させた理解により、より良いピアノを目指すことになります。そのためにも、最低限の調整というのは最高精度でありたいと常に考えています。 今日はクライアントからも喜んでいただき、一安心です。
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