クラシックピアノのマスタリングは、とても繊細な音のコントロールを必要とします。今やクラシックも音圧は相当に強くなり、ダイナミックレンジは狭くも迫力ある音源が求められています。特に本場ヨーロッパでの解釈はかなりアグレッシブで、完全にクラシック音楽の領域を超えてしまうほどの音作りを行っています。 これらの現状を考える時、クラシックだからと言って何時までも昔ながらの音を作っていては、世界の音楽市場から出遅れるとともに、新しい価値の創造という意味でも面白味のある制作ができなくなっていきます。元々自分の場合は、世界の音楽市場の中で仕事をする折にも音圧はかなり強めで、ハードなロックをマスタリングした折にも、ハリウッドのクライアントから 『Wow』 の第一声を貰うような味の濃いマスタリングが持ち味です。そしてクラシックピアノで、どう味の濃いマスタリングを表現するかが問われるわけですが、素材をいかに引き出しピアノ本来のサウンドをより立体的に聴かせることが出来るのか・・・そこが面白味であり、腕の見せ所でもあります。ピアノは調律もアメリカで学び業務として行ってきているので、特に愛着のある楽器です。より自らの耳もシビアになり、その仕上がりは常にグローバル目線で最も素晴らしい音色に仕上げることを目指しています。
Furuya Hirotoshi
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